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「超」入門 失敗の本質|感想・要約

超入門失敗の本質

名著『失敗の本質』から学ぶビジネスで大切な視点についての本です。

失敗の本質の解説本?全くの別物です

「名著をダイジェストで読む!」と本の帯には書かれていますが、ダイジェストとは少し違うかなと言った印象です。

『失敗の本質』の中で現代のビジネスに活用できるエッセンスのみを抽出し、実際の企業の例を挙げて組織運営やリーダー論について語られています。

経営者でなくとも数人のチーム束ねる立場の人にも役立ちます。

なので良い意味で、決して解説本の類ではありません

『失敗の本質』を読んだことがない方でも読んで得られることは大きいでしょう。

この本が向かない方

ダイジェストというとノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦それぞれの概要をわかりやすく取り上げるのかなと思うかもしれませんがそうではありません。

各作戦の具体的な概要や歴史的な経緯について知りたい方には向きません。(そもそも『失敗の本質』自体そういう本ではありませんが。)

あらすじ・要約

※ネタバレを多分に含みますのでこれから読む方は気を付けてください。

『失敗の本質』に学ぶ7つの敗因として戦略性、思考法、イノベーション、型の継承、組織運営、リーダーシップ、メンタリティに分けられています。

戦略性

日本軍は目標達成に繋がらない勝利が多かった。戦略とは目標達成に繋がる勝利を選ぶこと・追いかけるべき指標のこと。戦略のミスは戦術ではカバーできない。

戦後の日本企業も成功体験によって偶然得られた指標に固執してしまっているが、その指標が目標達成に繋がらなくなってきている。

過去の成功からその本質・要因を見出し、新たな指標を探すことが大切。

思考法

日本には練磨の思考がある。一つのものに集中し磨き上げることを美徳とする思考。

戦時中で言えば零戦の操縦技能や魚雷の命中精度など、モノづくりの日本としてはより高性能、高品質のものを作ろうとする。

しかしこれらプロセス改善(練磨)にはいずれ限界が来る。

それに対しアメリカはパイロットの操縦技能に左右されない、当たらなくても撃墜できるVT信管や米企業のプラットフォーム戦略などゲームのルールを変えているのだ。

イノベーション

イノベーションには3つのステップがある。

①敵の(若しくは市場で現在主流の)「既存の指標」を発見する。
②その指標を「無効化」する 
③「新たな指標」で戦う

そのために先述の通り、過去の成功に固執し目の前のことをひたすら練磨するのではなく「そもそも目標達成のためこの取り組みであっているのか?」と考えることが必要だ。

型の継承

過去の成功の事例をそのまま伝承しても劣化・矮小化してしまう。本質を失った「型」だけを伝承しても意味はない。

勝利の本質を伝えていくべきである。

組織の中でイノベーションの芽が個人に芽生えても組織に浸透する意識がそれを潰してしまう。今まで型の伝承しかしてこなかった組織は、こういったイノベーションを固く拒絶する。

組織運営

人は「自分の理解していない世界」を蔑視する。そしてその現場にいる人の言葉を軽視する。日本企業も同様に、組織のトップは現場を知らずに判断し命令を下している。

もっと現場のフィードバックを得るべきだ。

そのためには人事が重要である。やる気や意欲による人事は保身と無責任を呼ぶ。成果による人事こそ目標を達成できる組織になるのだ。

人事は組織の限界を決める

リーダーシップ

組織のトップには、組織内で自分の義務や責任以外に無関心な者たちによる濾過・要約された情報しか入ってこない。

リーダーは実際に現場に赴き、現場の声を聴くべきだ。

失敗するリーダーは周囲の意見や目の前の現実を否定し、自分の意見や信じたいことだけを信じる。逆に卓越したリーダーは正しい勝利の条件(指標)に注意を払い、組織が持つ可能性を無限に引き出す。

居心地の良さではなく、使命感・危機感を維持し”不均衡を生み出す”ことができる組織が生き残る。

メンタリティ

組織における「空気」は本来話が別であることまでひとまとめにし、一点の正論のみ強調し議論を押し進める。

醸成された「空気」を見抜きその欺瞞を打ち破らなければならない。

議論の方針転換を阻む4つの要素がある。

既に行われた多大な投資・犠牲(サンクコスト)
事態の未解決による心理的苦痛(認知的不協和)
封建的な人事
幻想の共有によるグループシンク(集団浅慮)

リスクに目を背けず周知し管理したうえで、これらの要素を乗り越えることで組織を良い方向へ導ける。

感想

『失敗の本質』という難解な本を、ここまでわかりやすく実際のビジネスにおけるリーダー論や組織運営に関する話に落とし込んでいることに驚きました。

特に印象に残っているのはイノベーションに関する章のスマホと従来の携帯電話の比較で

サイズであれば、小さくなることがイノベーションではなく、「購入する動機を変化させる(判断の指標が変わる)」サイズを実現することがイノベーション

という部分です。

まさに高性能・高品質を追い求める日本企業と、判断の指標を変える(ゲームのルールを変える)GAFAなどの企業の違いがよくわかります。

「居心地の良さを捨てて危機感・使命感のある”不均衡”へ」、「人は自分の理解できない現場を蔑視する」など示唆に富む話も多く読んでよかったと思いました。

ABOUT ME
ぞうきん
当サイト「三流.com」を書いているぞうきんと申します。 現在大学四年生でブログ歴は2年です。 初心者に向けたブログ関連の情報やライフハック、自分の経験をもとにした記事を書いています。